日常と非日常の狭間で

エッセイ、コラムなど

洋食屋の肉じゃがコロッケと生姜焼き定食(孤独のグルメ仕立て)

(このブログは孤独のグルメに脳内変換してお楽しみください)

 

すっかり夜になってしまった。

もう9月なのにまだまだ蒸し暑い•••

なんだか体もだるい。

このまま家に帰って寝たい気もするが、腹が空いた。何か腹に入れて帰ろう。

 

ん?あの明かりが漏れている店は、めし屋か?

「洋食屋B」

B?変わった名前だ。しかし、この辺にありがちな小洒落たレストランと違って、ちょっと古くてなんだか落ち着く雰囲気だ。何より、夜に定食が食べられるのはありがたい。

 

(ガラガラガラガラ)

「いらっしゃいませ」

「あ、一人ですけど」

「こちらにどうぞ」

 

奥のカウンターに、ちょっと強面のシェフ。店を仕切るのは奥さんか。

 

「こちらメニューです」

 

うーん。メンチカツ、ハンバーグ、コロッケ、カニクリームコロッケ。典型的な洋食屋だ。

 

お。

組み合わせ定食かあ。

メンチカツとカニクリームコロッケの組み合わせ。美味しそう。

でも、今日はあまり体調が良くないから揚げ物二つはちょっともたれるかあ...?

 

「すみません」

「はい」

「生姜焼きと肉じゃがコロッケの定食で」

「はーい。肉じゃがしょうがひとつ〜!」

 

 

うーん、それにしても実に味わい深い店内だ。BGMは軽妙なジャズが流れていて、棚にはマイルスデイヴィスのレコード、壁にはアンディーウォーホルのポスター。

 

コワモテでジャズとアート好き。かなりはっきりした趣味だ。そんなこだわり派の店主が作る洋食、、、期待できる。

 

お。

壁にもメニューが。

 

ハムカツ

カツサンド

スパゲテーナポリタン

 

うーん、実に洋食屋っぽいラインナップ。ナポリタンも捨てがたい...次はこれにするか。

 

「お待たせしました。お味噌汁熱いのでお気をつけください」

 

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おお〜。期待通りの見た目。

生姜焼きは豚肉3枚、ソースのかかった大きめのコロッケ、山盛りのキャベツ。ボリュームも十分だ。

 

(いただきます)

 

まずは、生姜焼きから行っとくか。生姜焼きは店の実力が出やすい。

 

(モグ)

 

うん。

かなりはっきりした塩気で、醤油の風味もしっかり極立っている。

これはビールに合いそうだ...。

いや、今日は我慢だ。

 

(白ごはんを口に運ぶ)

 

よし、次は肉じゃがコロッケ。さっきジュージュー音がしていい匂いがしていたから、完全に揚げたてだ。

 

(サクッ)

 

お?中身の色が濃くて、しっかりした肉じゃがだ。甘みも程よくあって、うまい。これは...

 

 

「すみません」

「はーい」

「生ビールをひとつ」

「はい」

 

これは飲まないと、あとで後悔するぞ。

 

(サクッサクッ)

 

うまい。

 

生姜焼きに戻るか。カラシが付いている。

(モグ)

うん。醤油の味にカラシが戦いを申し込んできて、口の中でバトルが始まった。いい感じだ。

 

「はい、ビールです」

(モグモグしながら会釈)

 

(ゴクッゴクッゴクッ、プハー)

ウーン。最高。ビールと生姜焼き、そしてしっかり味の染みた肉じゃがコロッケ。無敵の組み合わせ。選択は間違ってなかった。今日の俺、最高。

 

(ズズー)

ああ、アツアツの味噌汁。白ネギと豆腐の鉄板コンビ。おふくろの味だ。

入ってる豆腐が大きめなのもいい。こうやって、箸で好きな大きさに切りわけて、食う。うん。絹ごし豆腐、やわらかい。

 

うーん、この店、いいぞ。また来て他のメニューも攻めたい。

  

「ごちそうさまでした」

「1500円になります」

「はい」

 

こだわり派店主による、昔ながらの洋食。

ごちそうさまでした。