日常と非日常の狭間で

エッセイ、コラムなど

東京タンバリン「ただいま おかえり」

長尾純子さんが出るということで初めて、劇団の東京タンバリンを見る。

東京タンバリン

高井浩子の劇作を本人演出のもと、
上演することを目的に設立。 現代人の陰を日常会話の中にあぶりだしていく物語を「演劇でしかできない表現」にこだわった演出で上演している。

 

「ただいま おかえり」というタイトルの、母親とその子ども達の物語。

年を経るにつれて、親と子の力関係は変わっていく。育てたつもりの子どもから、いつのまにか心配されたり気を遣われたりしている母親。自覚する老い。しかしそれを認めたくない。いつまでも社会にも子どもにも頼られる存在でありたいのに、現実はそうならない。そういう心の揺さぶりを描写した物語だった。

基本的には結構重々しいストーリーだけれども、登場人物、舞台装置、全体の雰囲気は明るいのでその辺のバランスが好きだった。

ちなみに劇場の下北沢劇場Bはとても小さな舞台だが、木の可動式のパーツが配置されており、そのパーツを動かすことにより、場面の変化を伝えていた。普段小劇場の舞台はそれほど見ないけれども、いろんな工夫の仕方があるんだな、と勉強になった。

 

f:id:karinc:20170723084650j:image